『細見コレクションリクエスト展03 特集展示:江戸絵画と遊ぼう』
神内有理(博士後期1回) 

二〇〇三年七月二十六日(土)〜九月二三日(火)
細見美術館 

近年、増加している鑑賞者参加型と言われる展覧会である。不思議なもので、若冲の横に埴輪がいたりする。これを不思議と感じるのは、近代的な分類に慣れきっているからに他ならない。鑑賞者の欲望におもねったかのような、企画者の仕事を放棄したような「リクエスト展」という形態には不信感を抱いている。しかし、今回は様々な遊びや仕掛けが用意してあり、工夫のあとが感じられた。
「好み」という前近代的な分類は、美術館という近代的な装置を問い直す面白い契機になるように思う。と同時に、若冲や琳派、北斎を言祝ぐ、相も変割らない欲望、その背景にあるものについて考えてみることは近代日本美術研究の基本命題である。