「家庭画報」創刊550号記念として企画された、千住博初の回顧展。 千住は、「日本画」が精神的拠り所とする素材、岩絵具を用いて「イメージの日本美」や「イメージの日本的思惟」を描く。普遍性を謳うそれらの作品には、近代や現代といった「日本画」の葛藤は希薄である(そして容易に「日本画」は「世界画」になる)。制度論的な文脈で用いられる「日本画」とは、時間―空間的な意味で別次元に立つ千住の「日本画」は、当否はともかく、「現代日本画」の一局面として着目の必要はある。 ふと、「アイドルのパロディ」の世界に生き、「イメージの女の子」を歌う松浦亜弥のことを思い出す。あややと千住が体現するのは物語であり、戦略的にフィクションなキャラという点でよく似ている。
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