2003年12月14日、ヴェネツィアの劇場ラ・フェニーチェ(不死鳥)が再開した。 フェニーチェ劇場は1792年5月16日に創建され、ロッシーニの『タンクレーディ』『セミラーミデ』や、ヴェルディの『エルナニ』『リゴレット』『ラ・トラヴィアータ』など多くの作品がそこで作られてきたが、その途中、1836年にも火災に遭っている。今回、1996年の1月に電気系統の失火で焼失して以来、ほぼ8年ぶりに劇場として再開するが、これは1837年当時に再建された状態を復元したものとなっている。 1996年から今年まで、数次の中断を経て再建にかかった長い期間は、文化財行政上の遅滞の典型として批判されてきたが、行政担当者の交替などで漸く今回再開の運びとなった。火災に対する備えも当然ながら重視されているほか、舞台装置の効率化や客席数の増加も配慮されている。 復活後の初演はマーラーやエルトン・ジョン(ヴェネツィアに屋敷を持っている)以下さまざまなコンサートが予定されているが、本格的なオペラ・シーズンの再開ては2004年の11月の『ラ・トラヴィアータ』を待つことになる。
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