ガブリエル・オロスコ ブルー・メモリー
多様なメディアを表現にとりこみ、作品ごとに新たな表情を見せるガブリエル・オロスコは、日本を旅行中、農村の風景に衝撃を受ける。田畑が、きわめて無機的な印象をもつブルーのクロスによって、覆い尽されようとしていたからだ。今回の個展では、邸内の書院と前庭とのあいだに、 かれが目撃したものと同じ農業用のブルーのクロスによって、靄のような簾をかける。それらの曖昧で多義的な半透明のスクリーンは、刻々変化する午後の日射しとともに、石庭への視覚にずれ、裂け目、ゆらぎをもたらす。
斬新な石庭、書院、茶室をもつ重森三玲邸では、文化財として重要な同所を開かれた場所として機能させつつ存続させてゆくためのプロジェクトを企画・進行中であり、来年春まで数人のアーティストの個展を随時開催してゆく予定です。並行して、作家や作品を通して、さまざまな問題について双方向から討論し、考えてゆくためのセミナーも開催しています。プロジェクトの協力者も募集中です。
|