モノクローム -単色造形の美的世界- 
 2000年3月24日(金)〜7月2日(日)萬野美術館
三輪聡子 
((本学講師))

東洋的、東洋趣味、ジャポニスム、などのことばから想起される表現形式は多種多様だが、モノクロミスム−単色で制作しようとする志向−も、そのひとつに含まれるだろう。この企画展では、単色であることの魅力や、その無限の可能性を感じさせる作品が、水墨画、陶磁器、漆工芸品などのジャンルから集められている。「道」を大胆に捨象した、俵屋宗達の「蔦の細道図屏風」の意匠が目を引く。一種のミニマリズムによる遠い憧憬の対象の暗示は、見るものの想像力をかきたててやまない。