「Lo Gai Saber」へようこそ!
…「Lo Gai Saber|愉快な知識」は、京都芸術大学芸術学部通信教育部の「芸術学コース研究室」 が運営しています。芸術学について学ぶ学生の皆さんに向け、学習に役立つ様々な情報を発信しています。

下記の日程で芸術学コース主催の公開講座を開催いたします。 

今回の講座はイタリア文化会館・大阪との共催で、現代美術史家で元ミラノ20世紀美術館館長のマリーナ・プリエーゼ氏を迎えて特別講演会を行います。テーマは、20世紀のイタリア美術のなかでも、もっとも世界的に知られた「空間主義」の創始者、ルーチョ・フォンタナ(Lucio Fontana)をめぐってです。カンヴァスに刃物で切り込みを入れた一連の作品で知られるフォンタナは、絵画や彫刻といった従来の枠組みを超え出て、現代美術の流れにおいて重要な役割を果たしました。

拈華微笑2016(5):論文を書く苦しみ

カテゴリー: 『雲母』について |投稿日:2016年8月25日

金子典正(教員)  論文、報告書、依頼された原稿など、大学で教員として仕事をしていると文章を書く機会は本当に多い。出来上がった文章をパソコンの画面上で何度も読み返し、さらにプリントアウトして何度も読み返す。推敲を重ねて、誤字脱字はないか、表現はおかしくないか、世に出して恥ずかしくないか、時には余計なことを考え過ぎてしまって原稿がなかなか完成しないこともある。

拈華微笑2016(4):記憶の方法

カテゴリー: 『雲母』について |投稿日:2016年7月25日

田島恵美子(教員)  日々の学習の中で、ちゃんと勉強したのになかなか記憶として定着しない、読んだ本の内容をよく覚えていないといった経験はないでしょうか。実際、私自身が痛感していることであり、限られた時間で研究を進めていく上で、何度ももどかしい思いをしています。  そんな中で、参考文献として瞑想や記憶術の本に目を通す機会があり、記憶とその方法について考えさせられるとともに、改めて自身の勉強の方法を見直す機会ともなりました。そのことについて、簡単ですが述べてみたいと思います。

三上美和(教員)  東京国立近代美術館の「安田靫彦展」に行きました。日本画としては長い展示期間にもかかわらず、諸事情で終盤近くになってしまいました。そのためやや混んでいたものの、気になる作品をじっくり見ることはできました。

安田靫彦展

安田靫彦展

拈華微笑2016(2):古典(再)訪

カテゴリー: 『雲母』について |投稿日:2016年5月26日

池野絢子(教員)  美術作品にも、小説にも、ポップ・ミュージックにも、どんな分野にも「古典」と呼ばれるものがある。研究にも、「古典的名著」なるものが存在していて、その分野を志す人にとっては必読書だ。あるいは、日本人にとっての『源氏物語』のように、ある文化圏の人が共有している「古典」もあるだろう。対象は異なれど、多くの人にとって古典的作品/著作といえば、やはり知っておきたいもの、知っておいて損はないと思われるもの、なのではないだろうか。

拈華微笑2016(1):美食漫遊記

カテゴリー: 『雲母』について |投稿日:2016年4月25日

梅原賢一郎(教員)  漱石の『猫』の迷亭先生にならったわけではないが、美学という学問を一生の仕事にと選んでしまった手前、ちょっと講釈しておきたいことがある。「なぜ、芸術といえば音楽や絵画がメジャーで、食はマイナーなものと評価されがちなのか」。それは、食の主管的な感覚領域と見なされうる味覚領域が、どれほど自律的な対象領域を形成しえているかどうかにかかっていると思われるが、それについては、音楽における聴覚領域や絵画における視覚領域がそうであるほどには、形成しえていないといわざるをえない。

加藤志織(教員)

 昨年の『雲母』2月号では細野不二彦の『ギャラリーフェイク』を紹介しましたが、今年は16世紀のイタリアで活躍した画家・建築家のジョルジョ・ヴァザーリ(1511~1574)が記述した『美術家列伝』をお奨めしたいと思います。

img15100913-4443 金子先生がご登壇される、藝術学舎冬季『仏像大解剖!鑑賞して解説を書こう』 講座は、現在お申し込み受付中です! 本講座では、東京国立博物館に出かけ、法隆寺献納宝物四十八体仏を鑑賞しなが ら、ディスクリプション(解説)づくりに挑戦します。 過去に参加された方も大歓迎!別の作品にトライしてみましょう。 新年度が始まる前に、本講座で腕試ししませんか? 詳細は、こちらをご覧ください!

芸術学コース主催公開講座のお知らせ

カテゴリー: お知らせ |投稿日:2016年1月26日

下記の日程で芸術学コース主催の公開講座を開催いたします。今回の講座では池野絢子教員をファシリテーターとし、東京では演劇史がご専門の杉山博昭先生を、京都では記号学がご専門のマッシモ・レオーネ 先生をお招きし、以下のテーマでお話しいただきます。受講料は無料、事前申込みも不要ですので、みなさん、是非ご参加ください。芸術学コース以外の方、一般の方、どなたでも聴講可能です。みなさん奮ってご参加ください。

熊倉一紗(教員)

 2015年9月1日、佐野研二郎氏デザインの東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムが白紙撤回されました。7月27日にオリビエ・ドビ氏が、自身デザインのベルギー・リエージュ劇場のロゴとエンブレムとの類似を指摘して以来、まさに「炎上の1 ヶ月」でした。  問題の端緒である五輪エンブレムについては、佐野氏自身が盗用を否定し、専門家の間では「似ていない」とする意見が多かったようです。しかしながら、世論やネット上では「似ている」ことが非難の的となりました。大阪芸術大学教授・純丘曜彰氏は「似ている、などと、他国から物言いがついた時点で、このデザインはケガれている」と指弾しています(INSIGHT NOW! http://www.insightnow.jp/article/8591.2015年8月10日付記事)。では、なぜ似ていることは悪なのでしょうか。