「はじめに」の書き方

 
 論文や報告書は他人に読んで貰うことが前提であり、明瞭さが要求されます。そのため、伝えたい内容を順々に説き起こす工夫をしてください。特に全体の趣旨を知って貰うためには、なぜ、どのような問題が存在するのか、またそれをどのような方法で解決しようとしたのかを、その構成(章立て)とともに予告しておくことが有効です。
 
 そのため、「はじめに」あるいは「序」の部分はとりわけ重要な役割があります。「はじめに」は全体のデッサンであり、また読者が最初に目にする部分です。特に留意してください。
 
 

第一段落:【前提】
 論ずる対象についての最低限の情報の提供。
第二段落:【問題提起】
 論文の課題。どのようなことを知りたくて論文を書くのかを明確にする。基本的には疑問形で書く。
第三段落:【先行研究の批判】
 上の問題に対してこれまでどのようなことが言われてきたのかを紹介した上で批判(言われてこなかったことを指摘)。
第四段落:【仮説の提示】
 論文の結論を先取りして提示。必ず第二段落の「問題」に答える形で。
第五段落:【手続の紹介】
 論文の概略の説明。「第一章では…。第二章では…」。