比企貴之(教員)  京都駅から市営バスに乗り、10分足らずでバス停・博物館三十三間堂前に着く。そこでバスを降車すると京都国立博物館、道路を挟んで反対側には蓮華王院三十三間堂がみえる。蓮華王院は、今日、国宝建築として名高く、本学の学生のうちにも「行ったのは一度や二度ではない」という人も少なくなかろう。

梅原賢一郎(芸術学コース教授)

最近京都を見てまわっている。私なりの京都巡礼のつもりだ。といっても、かならずしも有名な社寺仏閣を訪ねるのではない。拝観料を払って、靴を脱いで、文化財然と薄暗がりにひそむ像や画の数々に目を凝らし、賛嘆をごちながらの探訪ではない。「祭り」にもいくが、見物や見学というのはあたらないだろう。沿道から、「王朝絵巻」の行列に息を呑みことも、山鉾の巡行の絢爛豪華に酔いしれることもない。