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カテゴリー: お知らせ, 美術館・展覧会情報 |投稿日: 2018年2月2日

三上美和(教員)
横山大観展―東京画壇の精鋭―
 皆さん、こんにちは。三上です。寒い日が続いていますが、お変わりございませんか。早いもので、1月も終わりですね。
 今回は山種美術館の「横山大観展―東京画壇の精鋭―」(2月25日まで)を紹介します。今年は大観生誕150年に当たり、それを記念した展覧会です。今回の目玉は当館所蔵の全大観作品の公開で、小規模ながら初期から晩年までの展開を辿ることが出来ます。また、大観の師である橋本雅邦、さらに菱田春草を始め、西郷弧月、木村武山など同輩たちの作品も展示されていました。特に雅邦の山水画、春草の朦朧体の名品は見応えがあり、ぜひ注意して御覧いただきたいところです。
 もうひとつ興味深い試みとして、大観がしばしば作品に用いた「裏箔」(うらはく)の技法解説があります。現代の日本画家により裏箔のない作例も作品の横に並べてあり、絹地の表面に箔押しするよりも落ち着いた渋い輝きが得られる裏箔の効果がよく分かりました。展示作品のうち、裏箔が用いられた《竹》と、その反対側に展示されている金箔の《陶淵明》の輝きと比べてみると、絹地の表裏での金箔の効果の違いも一目瞭然です。こうした技法は言葉だけでは伝わりにくいので、解説とあわせ、ぜひ実物で確認してください。
 また、これは大観展だけではないのですが、当館では展示作品のキャプションに描いた時の作家の年齢が書いてあり、私はよくチェックしながら見ています。大観のような長命な作家の場合は、こんな晩年に描いたのか、あるいは反対にこの若さで、といった面白い発見があるかもしれません。
 最後の「大観と富士」を取り上げたコーナーでは、大観が当館の創設者である山崎種二に美術館設立を勧め、美術館を建てるなら、ということで譲ったという富士図《心神》も展示されており、大観と当館との深い関わりも紹介されています。
 別室では「東京画壇の精鋭たち」と題して東山魁夷の《年暮る》《白い嶺》や奥村土牛《山中湖富士》なども展示されており、年始らしい華やかな空間になっていました。
 本年5月には東京国立近代美術館で大規模な回顧展が開催されるとのことで、今年は多くの大観作品に触れる好機といえます。大観はとても有名な画家ですが、長い画業のなかで、様々な工夫を凝らし、作風も変化に富んでいます。回顧展の良いところは、作風の変遷が辿れるところです。また、こうした大規模な回顧展では新出作品や日頃展示されない作品も出品されると思いますので、これまでの大観のイメージが一新されるかもしれません。私も久し振りに大観作品とじっくり向き合いたいと思います。
 まだ春までしばらくありますね。風邪やインフルエンザに気をつけ、元気に乗り切りましょう。今年もよろしくお願いします。


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