拈華微笑2020(1):新入生と在学生のこれからの学習の進め方
三上美和(芸術学コース教員)
皆さん、こんにちは。お元気でお過ごしでしょうか。コロナの感染がおさまらないなか、各地で大規模な水害も発生しています。被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
春の学習ガイダンスも延期となり、さぞお困りでしょうが、いずれ状況が好転したときに備え、今できる範囲で進めましょう。皆さんが少しずつでも前に進めるよう、以下にアドバイスします。
・生活リズムと学習環境の見直し
新学期から3か月余り経ちましたが、学習ペースはつかめてきましたか?新入生、在学生いずれも、生活の中で無理なく継続できる時間を勉強に当てましょう。状況が代わり次第見直すことも大切です。
同時に、勉強スペースも確保しましょう。居間の一角など、そこに座れば集中できる場所が理想的です。シラバスや大学からの大事な通知もその近くにまとめれば、なくなる心配もありません。片付けも効果的です(先日自宅の配線工事のため大掃除する必要に迫られ、仕事の環境が大幅に改善されました)。
・履修計画の見直し、TR科目の課題変更
入学ガイダンス資料、「コースガイド」に沿って4月に立てた履修計画も定期的に見直を。テキスト科目にはなかなか手が伸びない方は、4月半ばにお知らせした「芸術学コースのおすすめのTR科目と課題の一部変更」を読み返して、手の付けやすそうな科目から、とにかく着手してみましょう。課題変更にも気を付けてくださいね。
もうすでに課題に着手して、結果がお手元に届いた方もいるでしょう。期待通りの結果でなくても(D評価でも!)がっかりする必要はありません。むしろ直接講評を得たことをラッキーだとポジティブにとらえましょう。戻ってきた講評を次のレポートに活かしていけば、必ず改善するのですから。特にDの講評は「次はC以上を取らせるぞ!」という気概で書いていますので、Dだった人は即座に再提出してくださいね!
・テキスト科目学習のコツ
普段書くことに慣れていない人、あるいはレポートに苦手意識を持っているに人は、総合教育科目のテキスト科目「ことばと表現」または「論述基礎」がお勧めです。これらはレポートや論文とは何か、あるいはどう取り組めば良いのかについて具体的に学ぶ科目です。これらの科目を通じて、レポートについての基本的な取り組み方を学ぶことで、テキスト科目が着手しやすくなると思います。
・疑問のこまめな解決を!
今までの経験や知識を総動員した上で感じた疑問の中には、実は自分にとって大切なこともあります。「もっと調べてみたい」ものに突き当たれば、それが研究テーマにつながるかもしれません。疑問を感じたときは、すかさず調べる癖をつけましょう。その上でわからなかったときは、迷わず質問してくださいね。皆さんからの質問によって、私も勉強になることがしばしばです。
・論研、卒研に取り組んでいる方へ
論文研究、卒業研究に取り組もうとしている方、あるいは取り組んでいる方は、最初にそのテーマの最新の専門書を参照し、「文献リスト」と「略年譜」を作りましょう。年譜に代表作も記入すれば、これが「作品リスト」も兼ねることになります。本データは今後の研究の基礎となるため慎重に作成し、「どこに書いてあったのか」(出典)も忘れずに併記しておきましょう。作業を通じて、そのテーマについての最新の基礎知識も蓄えられていきます。この文献リストに沿って、できるだけ新しい文献から読み進めていくことになります。
参考文献が入手できたら、重要と思われるものから精読しましょう。論文研究、卒業研究は2年間かけて取り組みますが、どんなに充実した文献リストを作ったとしても、読み込む時間には限りがありますから、時間を割けるときが研究進捗のチャンスです。目前の課題に集中し真剣に取り組んだ結果は、レポートの内容に必ず反映されます。
以上、この時期の学習の進め方について述べました。どのような環境でも、日々学ぶことで皆さんは芸術学と共に歩んでいます。コースガイドの扉裏と最後には、本コースの梅原賢一郎先生による、芸術学を学ぶことについての心温まるメッセージも掲載されていますので、必ず目を通しましょう。
入学ガイダンスのパワーポイント資料では、学習相談会などのイベントについても紹介しています(情報は『雲母』やコースのツイッターに掲示します)。それらのイベントが開催されたら積極的に参加し、学友との交流を深めましょう。離れていても同じ目標を持つ学友の存在は、今後の大学生活をより豊かなものにします。
これから暑い季節を迎えますが、適度な湿度と温度を得て、実家の庭木や雑草はうっとうしいくらい旺盛に成長しています。私たちも植物に負けず元気に乗り切りたいですね。当面はパソコンの画面越しになるかもしれませんが、皆さんとお会いできる日を楽しみにしています。