文献案内:ディック・ヘブディッジ『サブカルチャー──スタイルの意味するもの』未来社、1986年

カテゴリー: 過去サイトの記事 |投稿日: 2003年12月19日

佐藤守弘(本学講師)

 イギリスの若者文化には、モッズ、スキンヘッズ、パンクスなど、さまざまな〈トライブ〉が存在した。それらの多くは、特定の音楽を聴き、特定の決まり事を持ち、非常に細かく決められた服装の規則を遵守していた。記号論、ヘゲモニー論などの方法論をもって、本書においてはそれらのスタイルの意味や機能が、精密に分析される。それは、階級やエスニシティと分かち難く関わった記号であった。イギリスにおけるカルチュラル・スタディーズの黎明期に書かれた好著である(翻訳には問題が少々見受けられるが)

*記事初出:『季報芸術学』No.15(2001年12月発行)


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