加藤志織(教員) 2019年4月15日の夕方(日本時間では16日の未明)、パリの中心にあるノートルダム大聖堂で火災が発生した。この建物がゴシック様式であることを象徴する尖塔は無残にも崩落、身廊を覆う天井の大部分、堂内に設置された貴重な文化財も焼失もしくは大きな損傷を受けた。その原因は現在も特定されてはいないが、皮肉なことに改修工事中に発生した何らかの人為的ミスあるいはトラブルだとみなされている。ユネスコの世界遺産としても有名な聖堂が真っ赤な炎に包まれる衝撃的な映像は瞬時に世界中へとライブ中継あるいは配信され多くの人びとを驚かせると同時に悲しませた。
加藤志織(教員)
大阪市立美術館において1月14日まで公開されていたルーヴル美術館展を見てきた。この企画展では、ルーヴル所蔵の肖像芸術に焦点が絞られ、時代も地域もさまざまな絵画・彫刻・装身具が、それらの制作目的ごとに分けて展示されていた。加藤志織(教員)
日本とスペインが外交関係を樹立して150周年になることを記念するプラド美術館展—ベラスケスと絵画の栄光—が、上野にある国立西洋美術館で今年の春に開催された。この特別展示の目玉は、副題に示されているようにディエゴ・ベラスケス(1599〜1660)の名作7点である。加藤志織(教員)
世界三大美術館の一つに挙げられることもあるエルミタージュ美術館の貴重なコレクションの一部を展示する企画展が、2017年の春から日本を巡回中です。まず3月中旬の東京を皮切りに、7月からは名古屋の愛知県美術館、そして10月からは兵庫県立美術館に移動して現在公開されている。その大エルミタージュ美術館展について紹介します。
加藤志織(教員)
昨年の『雲母』2月号では細野不二彦の『ギャラリーフェイク』を紹介しましたが、今年は16世紀のイタリアで活躍した画家・建築家のジョルジョ・ヴァザーリ(1511~1574)が記述した『美術家列伝』をお奨めしたいと思います。
加藤志織(教員)
2014年度の授業が間もなく終了します。日々の課題から開放され時間的にも精神的にも余裕がある時期です。そこで今回は本をお奨めしようと思います。あまりにも難しい内容の書籍は楽に読めませんし、堅苦しい内容でも気分転換につながりませんので今回は漫画を紹介します。 とは言え芸術にかんする知見が得られるように細野不二彦の『ギャラリーフェイク』(全32巻)を選びました。アニメ化もされたので、ご存知の方も多いことと思います。しかし1992年に第一話が週刊『ビッグコミックスピリッツ』誌上に発表され、2005年に長期連載が終了して以来、すでに十年近い時間が経過しているので、一度もこの漫画のタイトルを耳にしたことがない方もいらっしゃることでしょう。
加藤志織(芸術学コース教員)
上(タイトル)の一文はイタリア・ルネサンス美術を専門に研究する美術史家ブルース・コールが著書『ルネサンスの芸術家工房』(ぺりかん社)において語っている言葉です。この書籍は、社会における芸術家の位置づけ、制作技法、美術作品の需要などについて、実証主義的にわかりやすく論じた良書です。
加藤志織(芸術学コース教員)
「美術史」とはなにか? 自明と思われるこの問いに、みなさんはどのように答えられるでしょうか。おそらく一般的には、美術史とは文字通り美術の歴史を意味し、ある特定の地域で制作されたさまざまな美術作品をなんらかの関係性のもとに分類・整理して時代順に並べたもの、と考えられているのではないでしょうか。じつはわたしも恥ずかしいことに、大学に入るまでは、美術史を天才が生み出した過去の名品をただ時間軸上に置いていく骨董趣味で退屈な学問だと考えていました。