拈華微笑2014(4):考えつづけること

カテゴリー: 『雲母』について |投稿日: 2014年9月1日

金子典正(芸術学コース教員)

 お元気ですか?まだまだきびしい残暑が続きますが、体調にはくれぐれも気をつけて何とかこの夏を乗りこえて欲しいと思います。さて、今回の私の拈華微笑は、昨年の同時期に掲載した文章をほぼそのまま引用します。これはスクーリング以外でなかなか皆さんとお会いできない私からのメッセージです。ぜひご一読ください。

 そもそも研究というものは孤独な作業です。なので、ときどきやめたくなる、くじけてしまう、長く調べものを続けても答えがまったく見つからない。もういい!研究なんて嫌だ!と思い始めると、私はよくふて寝をします。
しかし不思議なことに、本気で研究を止めようと思ったことは一度もありません。どんなに忙しくても、しんどくても、心のどこかで必ず何かを考えながら日々を過ごしています。今ではそんな生活が当たり前になりました。自分の研究に少しでも刺激になることに出会うと、とても嬉しくワクワク楽しく感じます。
 といっても、いいことばかりが続かないのは最初に述べたとおり。先行研究をかきあつめ、論点を絞り、答えを必死に探し出す日々が続きます。しかし見つからない。もがきつづけます。そのため論点や方法論を変えることもよくあります。
 さてさて、ここまで読んで何かを感じてくれた方は、きっと12月に卒業成果物の提出を目指している人だと思います。2回目の面接授業が目前に迫り、その約一ヶ月半後には最後のレポート3の提出が待っています。順調に進んでいる人もいれば、まだ上手くまとまらない人もいるでしょう。不安に感じている人も多いと思います。
ただ、私のこれまでの経験からすると、粘り強く考えつづけていると、アイディアが浮かび、止まっていた筆が進みはじめる瞬間は必ずやってきます。いつも気にかけ、考えつづけていると、その瞬間は必ずやってきます。
卒業研究に取り組んでいる皆さん、提出日まで辛い日々が続くかも知れませんが、何とか乗り切って欲しい。この思いに尽きます。粘り強く考えつづけ、良い論文が仕上がることを心から願っています。

以上です。皆さんのことを応援しています。がんばれ!

 

*記事初出:『雲母』2014年9・10月号


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