テーマに沿って参考文献を探す場合
調べたいテーマのキーワードで検索します。よく使われる言葉だけで(例「美術史」「芸術」など)検索すると検索結果が膨大になってしまいます。ある程度対象を絞って検索しましょう。OPAC やNACSIS、Amazon などでテーマに関係する本がどの程度存在するのか見通しを立てます。とはいえすべての本に目を通すのは不可能です。必要な本を絞り込みましょう。ネット上でも書評を拾い読みすることができますね。レポートや卒業論文を視野に入れて、文献リストを作っておくのも良いでしょう。情報カード形式(一冊につきカード1枚)をお勧めします。もちろんパソコンに入力することもできますが、大事なのは、後から書き込みと順序並べ替えが出来ることです。
公立図書館を利用する際には、初めは開架図書が多いところをお勧めします。国立国会図書館のように閉架式の所は、ある程度目的の本や調べたい対象が定まってから行くとよいでしょう。公立図書館はたいてい相互利用サービスや個人貸出を行っています。席数や鞄の持ち込み、複写の方法など、図書館によって利用条件は様々です。自分の学習スタイルや目的に合わせて使いやすい図書館を確保しておきましょう。また大学図書館を利用する場合、自分の所属する大学や近くの公立図書館で紹介状を発行してもらうなどの手続きを要するのが一般的ですが、最近では地域に開放したり、登録制で一般の利用を受け付ける例も増えてきました。各大学図書館のWeb サイトで、学外者向けの利用案内を参照するとよいでしょう。
図書館では、芸術学関連の書架に足を運ぶ前に、参考図書、つまり事典などのレファレンス・ブックが並ぶコーナーもぜひご覧になってください。言語辞書のみならず、芸術学関連に関しても、用語事典、図像学事典、作品データ一覧、年表、学術雑誌の論文目録など、調べものの手がかりが数多く見つかります。
芸術学関連の書棚に向かうときは、全集やモノグラフ、展覧会カタログがどのように並んでいるのか、最初にざっと見ておきましょう。大型図書は請求記号(背表紙下端に貼られたラベルの数字と記号)の順番どおりではなく別置きになっていることもあります。調べものの原則として新しい著作や論文から手を付けます。
大量の本の中から自分に必要な本を選ぶ作業をするときには、参考文献、索引、解題など本の「後ろから」目を通すと良いでしょう。何度も引用、言及されている著作、著者が重要であるということが分かってきますし、研究上の問題についての見当もつきます。
情報カードを利用している人は、本の基本情報だけでなく、図書館名と請求記号も書いておくと、後から同じ本を見たいと思ったときに便利です。これらの作業をしてから読む一冊は、ランダムに手に取る一冊とはずいぶん違うはずです。
OPACとはオンライン閲覧目録(Online Public Access Catalog)の略称です。各図書館のカタログになります。これらのOPACを横断検索できるシステムには、国内大学図書館OPAC総合検索システムNACSIS、国立国会図書館の総合ネットワークシステム、美術図書館横断検索システムALCなどがあります。本学芸術文化情報センターのOPACでも、2005年9月よりNACSISとの横断検索ができるようになりました。
これら大学や公立図書館の目録と、Googleなどの検索エンジン、Amazonなどの図書購入用サイトを組み合わせて、目的に合わせた図書検索をしましょう。
ネット検索に慣れている方は御存知だと思いますが、一文字間違えても検索はうまくいきません。漢字の新旧、外来語のカタカナ表記の差異などに留意しましょう。図書のデータがどのように処理されているかについては、国会図書館のQ&Aが参考になります。