拈華微笑2013(4):考えつづけること
金子典正(芸術学コース教員)
今回の私の拈華微笑は、昨年の同時期に掲載した文章をそのまま引用します。これはスクーリング以外でなかなか皆さんとお会いできない私からのメッセージです。今年の3月、卒業式後の「卒業生を送る会」の席上で、みなさんの先輩からも「共感した」というお声をいただきました。参考にしていただければ幸いです。
そもそも研究というものは孤独な作業です。なので、ときどきやめたくなる、くじけてしまう、長く調べものを続けても答えが見つからない。もういい、いやだ!そうなってくると、私はよくふて寝をします。
しかし不思議なことに、本気で研究を止めようと思ったことは一度もありません。どんなに忙しくても、しんどくても、心のどこかで必ず何かを考えながら日々を過ごしています。今ではそんな生活が当たり前になりました。なので自分の研究に少しでも刺激になることに出会うと、とても嬉しくワクワク楽しく感じます。
といっても、いいことばかりが続かないのは最初に述べたとおり。先行研究をかきあつめ、論点を絞り、答えを必死に探し出す日々が続きます。しかし見つからない。もがきつづけます。そのため論点や方法論を変えることもよくあります。
さてさて、ここまで読んで何かを感じてくれた方は、きっと12月に卒業論文の提出を目指している人だと思います。9月上旬の面接授業が目前に迫り、その一ヶ月後には最後のレポート3の提出が待っています。順調に進んでいる人もいれば、未だ上手くまとまらない人もいるでしょう。不安に感じている人も多いと思います。
ただ、私のこれまでの経験からすると、粘り強く考えつづけていると、アイディアが浮かび、止まっていた筆が進みはじめる瞬間は必ずやってきます。いつも気にかけ、考えつづけていると、その瞬間は必ずやってきます。みなさん。提出日まで辛い日々が続くかも知れませんが、何とか乗り切って欲しい。この思いに尽きます。粘り強く考えつづけ、良い論文が仕上がることを心から願っています。
以上です。皆さんのことを応援しています。がんばれ!
*記事初出:『雲母』2013年9・10月合併号